極彩色

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地上に舞い降りたマイエンジェル

フランシスがアーサーから指定された待ち合わせ場所にたどり着くと、程なくして遠くからヘリコプターの音が聞こえてきた。
だんだんと近くなるその音に、フランシスは空を振り仰いだ。
嫌な予感がする。
できるなら、このまま何事もなく頭上を過ぎ去って欲しい、そんなフランシスの思いも空しく、ヘリコプターは砂埃を巻き上げながら、フランシスから少し離れた場所に着陸した。

たしかに、迎えに来てと言ったのは自分だけれども。
ないわ。これはない。
ふつうに車とかでよかったのに。車がよかったのに!
期待のななめ上を爆走するアーサーに、フランシスは頭を抱えたくなった。

アーサーはヘリコプターを降りて、まっすぐにフランシスのもとへやってきた。
「よう」
なんでもないことのように声をかけてくるアーサーが憎い。
あまりの価値観の違いに黙り込んだフランシスを、アーサーは怪訝そうに見る。
「ねぇ…なんでヘリコプター?」
やっとのことでそれだけ言ったフランシスへ、アーサーは鼻で笑った。
「はっ、まさか高いところが怖いとか言わねぇよな」
「違うけど!」
そういう問題じゃない。
なかなか動こうとしないフランシスに痺れを切らしたアーサーは、フランシスの腕をむんずと掴んで、ヘリコプターへ向かって歩き出した。
ヘリコプターの爆音と、プロペラが巻き起こす風の中、アーサーに引き摺られるように歩きながら、フランシスは項垂れた。



おわる。


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