極彩色

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間に合わなかったし

イギリスの覚めない夢シリーズから、第二夜。
2.「sweets」

そのうちあっちのブログに移すけど、ひとまずこっちに置いときます。


某さん誕生日おめでとう。遅れてごめん。


イギリスが目を開けると、明るく照らされた天井が見えた。
見慣れたその天井は、イギリスの家のリビングのものだ。
どうやら、ソファに横になって、そのまま眠ってしまったらしい。
存外、長い時間眠っていたようで、決して座り心地の悪くない、少なからずイギリスが気に入っているソファではあるけれど、ずっと同じ姿勢でいたためか、身体がかたまっていた。
目覚めたばかりの目に入ってくる照明の灯りが眩しくて、イギリスは目を顰めると、片腕を持ち上げて、目を覆った。

「起きた?」
ソファに近づいてきた足音が止まって、イギリスの頭上から声がした。
イギリスが、目の上に乗せていた腕を外して見上げると、イギリスの顔を覗き込むフランスの顔があった。
フランスの顔は逆光になっていて、表情までよく見えない。
す、と目を細めたイギリスを見て、フランスが小さく笑う気配がした。
甘い香りを纏うフランスの指が、イギリスの前髪を掬い、そのままするりと頬をなぞる。
フランスはもう片方の手に持っていた皿を、ガラステーブルの上にことりと置いた。
皿の置く音のほうへ、なんとはなしにイギリスが目を向けると、たくさんの様々なケーキがテーブルを埋め尽くすように並べられていた。
ああ、通りで甘いにおいがするはずだ、とイギリスはゆっくりと体を起こした。

「なんだよこれは」
あまり尋常ではない数のケーキを見てイギリスが呆れたように呟けば、フランスはケーキだよ、と答えた。
そんなの見ればわかる。
「だって、イギリスなかなか起きないんだもの」
暇でつまらなかったと、フランスは拗ねたように言った。
それにしたってこれは作りすぎではないだろうか。
「こんな、食べきれないだろう」
「いいのいいの、余ったら近所の奥様たちにお裾分けするし!」
あっけらかんと笑ったフランスが、イギリスを見る。
「イギリスはどれ食べたい?」
熱のこもったフランスの目を見て、唐突にイギリスは空腹を覚えた。
空腹の前に、どんなに美しくデコレィトされたケーキも関係なかった。
フランスのケーキだ、どれを選んだって味は保証されてる。
イギリスは、緩慢な動作で腕を持ち上げると、いちばん手近にあったチョコレートケーキを指差した。
満足そうに微笑んだフランスが、置いてあったスプーンを手に取って無造作にチョコレートケーキを掬う。
肘掛にもたれるイギリスのソファに片膝を乗り上げて、片手をイギリスの顔の脇についたフランスは、見下ろしたイギリスの口元へスプーンを差し出した。
フランスは、薄く口を開いたイギリスへスプーンを差し入れ、ゆっくり引き抜くと、ケーキを咀嚼して飲み込んだイギリスの口元についたクリームを、ぺろりと舐めた。
そのまま唇を合わせてきたフランスに、イギリスが誘うように唇を開けば、フランスの舌がぬると侵入してきた。
フランスの舌は、イギリスの咥内に残るクリームを舐め取るように動く。
上顎をこすられて、イギリスは、ん、と息を漏らした。
甘いにおいにくらくらする。

フランスのケーキは美味い。
フランスのキスもうまい。
鼻にぬける甘さに、なんだかすべてがどうでもよくなって、イギリスは再び目を閉じた。

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