極彩色

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こんなうまいものは、ついぞ食うたことがない

どうしよう、何も書くことがないわ。





「いいか、お前ら。これから俺は、ちょっと隣町まで出かけてくる。本当は、お前たちを置いていくのは忍びないんだが、どうしても、連れて行ってやることはできなくてな…。夕方には帰るが、それまで、いい子で待ってられるな?」
アーサーの言葉に、アルフレッドとマシューはこくんと頷いた。
「よし、いい子だ!」
満足そうに微笑んだアーサーは、二人の頭をくしゃりとなでると、玄関から出て行った。


「行ったね」
「うん、行ったね」
アーサーが家から出て行くのを見届けたアルフレッドとマシューは、顔を見合わせた。
心なしか神妙な顔をしたマシューとは対照的に、アルフレッドは楽しそうにしている。
そう、二人には、アーサーが留守にするこの日に計画していることがあった。
それは、アーサーが秘蔵にしている、小壷の正体を暴くこと。
アーサーはそれを、絶対に二人には触らせなかった。
触らせないどころか、近づけなかった。
アーサーが言うには、お前たちには毒だから、ということだが、アルフレッドは知っている。
二人が寝静まった夜中に、こっそり小壷を取り出しているアーサーを。
あれが、毒であるはずがない。
「俺たちに内緒で、一人で楽しむなんてずるいんだぞ!」
ということで、マシューを巻き込んでついに決行するのである。

アーサーが大事にしているそれは、キッチンの戸棚の上から二番目の中にある。
「なにしてるんだいマシュー、早く行くよ」
「わわ、待ってよアル!」
マシューは、歩き出したアルフレッドを追いかけた。

キッチンに入ると、アルフレッドは、丸い木のイスを持ってきて、棚の前に置いた。
「ねぇ、やっぱりやめようよ…」
あまり乗り気ではなかったマシューは、アルフレッドの乗る不安定な丸イスを支えながら小さく言った。
「何言ってるんだい、君だって賛成したじゃないか。今更抜けるなんて許さないんだぞ!…っと取れた!」
手に小壷を掴んだアルフレッドは、得意満面の笑みで、マシューに見せた。



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